2025/11/20
― シンプルで低侵襲なZone 2 Thoracic Endovascular Aortic Repair (TEVAR) の実現 ―
日本ゴア合同会社(本店所在地:東京都港区)は、左鎖骨下動脈(LSA)の血流を温存しながら胸部大動脈疾患の治療に用いられる「ゴア® TAG® 胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム (TBE)」(以下本品)の販売を2025年9月1日付けで開始したことをお知らせします。
販売名:ゴア® TAG® 胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム
承認番号:30600BZX00248000
一般的名称:大動脈用ステントグラフト
本品は、解剖学的要件を満たす胸部下行大動脈病変を有する患者において、胸部大動脈瘤、外傷性胸部大動脈損傷、内科的治療が奏効しない合併症を伴うStanford B型大動脈解離の疾患に対し、LSAへの血流を温存しながらZone 2の血管内治療を行う目的で使用します。
厳格な非臨床および臨床試験により本品の安全性と有効性が実証され、FDAおよびMDR CEマークの承認を受けた胸部大動脈ステントグラフトである初のブランチ型ステントグラフトとして、2024年11月27日付けで日本においても薬事承認されました。
米国で実施された、ピボタル試験aではLSAを含むZone 2の胸部大動脈疾患を対象に238例が登録され、12か月追跡において、LSA分岐部の開存率は99.2%、治療後30日間の機能障害に至る脳卒中発生率は1.7%と報告されました。
2025年9月4日、保険適用後本邦初の症例が東京慈恵会医科大学附属病院にて、血管外科教授大木隆生先生によって実施されました。
大木教授は次のように述べています。
「Zone 2のTEVARは、従来から大きな課題を抱えていました。これまでは左鎖骨下動脈を犠牲にするか、再建するために侵襲を伴う外科的なバイパス手術を要していました。TBEはZone 2の完全血管内治療が可能であり、外科的バイパス手術に伴うリスクや複雑性を回避できるデバイスです。」
さらに、続けて、
「このデバイスによって、より多くの患者さんにより低侵襲な治療が提供できる事が可能となることを大変嬉しく思います。実際、市販後初回症例ではわずか59分bで手術を終えることができ、このデバイスが患者さんにもたらすメリットの大きさを実感しました。」と結びました。
ゴア® TAG® 胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステムは、ステントグラフト治療のパイオニアとしての25年以上にわたるゴアの経験を基盤に開発され、弓部大動脈という複雑な解剖に対して適用でき、専用のサイドブランチを備えているステントグラフトです。
本品は、大動脈疾患の効果的な治療を目指すゴアの血管内治療製品群の一つであり、専門の臨床サポートチームと教育プログラムによって支えられています。
ブランチ型ステントグラフトのラインアップには、ゴア® エクスクルーダー® IBE(Iliac Branch Endoprosthesis)も含まれており、内腸骨動脈の血流を温存したまま腹部大動脈瘤、総腸骨動脈瘤を治療するというオプションが可能です。
a. Data on file 2023; W. L. Gore & Associates, Inc; Flagstaff, AZ.
b. 皮膚の切開から皮膚の縫合終了までの手技時間
本件に関してご不明な点がございましたら、弊社営業担当者または弊社メディカル・プロダクツ・ディビジョンまでお問い合わせください。
販売名:ゴア® TAG® 胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム
承認番号:30600BZX00248000
一般的名称:大動脈用ステントグラフト
販売名:エクスクルーダー®Y字型ステントグラフトシステム
承認番号:21900BZY00011000
一般的名称:大動脈用ステントグラフト