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腎動脈下腹部大動脈瘤、両側総腸骨動脈瘤に対するゴア® エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトアクティブコントロールシステムおよびゴア® エクスクルーダー® IBEを用いた治療の実際 
 

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山岡 輝年先生 松山赤十字病院

症例のポイント

中枢ネックが短く、屈曲を有している症例に対しては、中枢ネックを十分に活用するため、正確な留置に加えて中枢ネックの血管走行に沿ったデバイスの留置が重要である。また、総腸骨動脈瘤を併発していれば、通常の腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)においては内腸骨動脈の血流を温存することが出来ない。この様な症例に対して、ゴア® エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフト アクティブコントロールシステムおよびゴア® エクスクルーダー® IBEの利点を最大限に活かすための留置方法について解説する。

症例

患者背景:79歳・男性

腹部大動脈瘤径53 mmの治療を目的に当院にてEVARの方針となった。中枢ネック長10 mm、中枢ネック径19 mm、中枢ネック角度60°であった。

右総腸骨動脈径は28 mm、左総腸骨動脈径は27 mmといずれも25 mmを超えており、左右とも総腸骨動脈でのシーリングを確保することはできず、右内腸骨動脈は最大径21 mmと瘤化していた。左内腸骨動脈は中枢側のみ15 mmと拡張していたが、末梢にシーリングとして活用できる箇所があったため、右内腸骨動脈をコイル塞栓し、左総腸骨動脈へエクスクルーダー® IBEを留置した上でエクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトを用いた治療プランを検討した。下腸間膜動脈は閉塞していたため塞栓の必要はなかった。(図1)(動画1:術前CT)

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図1 術前 3DCT

動画1:術前CT

治療プラン

左アクセスサイド( 同側 ):C XT231412 + PLC271000J + CEB231210A + HGB161407A + HGB161207A
右アクセスサイド( 対側 ):P LC121400J + PLC121000J

手技

全身麻酔下にて両側大腿動脈より経皮的に手技を行った。(動画2:全体造影)

まずは右内腸骨動脈のコイル塞栓を行い、次いで左鼠径部よりゴア® ドライシール フレックス イントロデューサシース16 Fr × 33 cm(DSF1633)を挿入し、そのシース内にラジフォーカス® ガイドワイヤーM 0.035 inch × 260 cm(RF-GA35263)を進め、右鼠径部からスネアカテーテルにて捕捉し、左右大腿動脈でのプルスルーを確立した。

左内腸骨動脈の分岐部を確認造影し、CEB231210A(23 mm × 12 mm × 10 cm)を適切な位置に展開した。右鼠径部よりドライシール フレックス イントロデューサシース  12 Fr × 45 cm(DSF1245)をプルスルーワイヤー越しに進め、左内腸骨動脈へのカニュレーションを行い、Amplatz型エクストラスティッフガイドワイヤ先端柔軟部長1 cm 0.035 inch × 260 cm(46-509)へと交換したうえで、HGB161407A(16 mm × 14.5 mm × 7 cm)を留置した。左内腸骨動脈中枢側は瘤化しており、上臀動脈の分岐直上までステントグラフトを留置する必要があったため、さらにHGB161207A(16 mm × 12 mm × 7 cm)を追加留置した。バルーン圧着を行い、造影にてType IcエンドリークならびにType IIIエンドリークがないことを確認し、CEB231210Aの同側脚を展開し、エクスクルーダー® IBEを完成させた。

エクスクルーダー® IBE 完成後、CXT231412(23 mm × 14.5 mm × 12 cm)を中枢ネックの走行に対してCアプローチとなる様、エゴイスト フレックス インターベンショナルガイドワイヤ 0.035 inch × 260 cm(EGX35-9C260R)を用いて左大腿動脈より腎動脈近傍までデリバリーした。

腎動脈の確認造影を行い、やや高めの位置にてアンギュレーションコントロールによるデバイスの角度調整を行った。さらにデバイスの角度を調整するために硬質ワイヤーを柔軟部まで引き下げた。少し時間をおくことでデバイスが大弯側に沿ったため、デバイスの位置を確認しながら、ゆっくりと1次展開を行った。1次展開後の確認造影でメインボディが適切に留置されていることを確認できたため、対側カニュレーションへと移行した。(動画3:中枢展開)

対側カニュレーション後、ドライシール フレックス イントロデューサシース12 Fr × 45 cmを  12 Fr × 33 cmへとシースを交換し、PLC121400J(16 mm × 12 mm × 14 cm)を対側脚として留置したが、右外腸骨動脈に届かなかったため、さらにPLC121000J(16 mm× 12 mm × 10 cm)を追加留置し、対側脚を完成させた。

対側脚完成後、メインボディデリバリーカテーテルのクリアーノブを抜去し、トランク部分を完全に拡張させ、メインボディ同側脚を展開した。アンギュレーションワイヤーを完全に後退させた後メインボディデリバリーカテーテルを抜去し、メインボディ同側にエクスクルーダー® IBEとのブリッジとしてPLC271000J(16 mm × 27 mm × 10 cm)を留置した。各所ゴア® MOB バルーンカテーテルによる圧着を行い、留置後の最終造影ではわずかなType IIエンドリークを認めたが、両側腎動脈の血流とエクスクルーダー® IBEを留置した左内腸骨動脈の血流に問題がないことが確認できた。(動画4:最終造影)

右外腸骨動脈の狭窄を認めたため、S.M.A.R.T. CONTROL® 腸骨動脈用スマートステント10 mm × 6 cm(C10060Sl)を追加留置し、手技を終了した。( 図2)(動画5:術後CT)

動画2:全体造影

動画3:中枢展開

動画4:最終造影

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図2 術後 3DCT

 動画5:術後CT

結果、術後経過

6か月後のフォローアップCTでは、後期相でわずかに確認できるほどの微量のType IIエンドリークが残存していたものの腹部大動脈瘤径は53 mmから41 mmへと縮小しており、エクスクルーダー® IBE を用いて再建した左内腸骨動脈の開存も確認できた。

考察

エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトはステントデザインの変更、デリバリーシステムの改良によって大動脈の走行に対するデバイスの追従性の向上が図られている。また、ゴア® エクスクルーダー® C3デリバリーシステムでは中枢ネック長15 mm、中枢ネック径19 mm以上が必要であったが、エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトは中枢ネック長10 mm以上、中枢ネック径16 mm以上と適応が拡がったことで、これまではEVARが不適であった症例に対しての使用が可能になると思われる。中枢ネックに高度な屈曲を伴う症例において、デバイスを大動脈の走行に沿わせて留置することは術中ならびに遠隔期での遅発性Type Iaエンドリークを制御するために非常に重要である。本稿の執筆時点において、エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトは、アンギュレーションコントロール機能を備えた唯一のデバイスであり、本症例の様な場合においては更にその効果を発揮する。

ゴア® エクスクルーダー® デバイスは、エクスクルーダー® コンフォーマブル AAAステントグラフトだけでなく、エクスクルーダー® C3デリバリーシステム、エクスクルーダー® IBEと多様なラインナップが揃っており、症例に応じて適切なデバイスを使用することでより良いアウトカムが期待できる。


本資料に示される情報は完全なものではなく、すべての症例に適用できるものではありません。また、電子添文および各症例に関する医療関係者の専門的な判断の代替となるものでもありません。各患者への医療行為に関するすべての判断は、それを行う各医療関係者の責任に属するものであり、当社はこれらに関する判断、助言等を行うものではありません。

 

本ウェブサイトは医療関係者向けです。全ての禁忌、警告、使用上の注意および有害事象に関する詳細は電子化された添付文書(電子添文)を必ずご参照ください。電子添文は常に最新版であることを、こちらからご確認ください。 

弊社製品のご使用にあたっては、一部を除いて、関連学会によって策定された適正使用指針に定められた資格要件を満たしていただく必要があり、さらに弊社が提供する教育プログラムの終了が必須となります。 

販売名:ゴア®エクスクルーダー®コンフォーマブル AAAステントグラフトシステム

承認番号:30400BZX00077000

一般的名称:大動脈用ステントグラフト

 

販売名:エクスクルーダー®Y字型ステントグラフトシステム

承認番号:21900BZY00011000

一般的名称:大動脈用ステントグラフト

 

販売名:ゴア®ドライシール フレックス イントロデューサシース

承認番号:22800BZX00461000

一般的名称:心臓用カテーテルイントロデューサキット

 

販売名:ゴア®MOBバルーンカテーテル

承認番号:23000BZX00170000

一般的名称:中心循環系血管処置用チューブ及びカテーテル