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胎児の心臓は、心房中隔がフラップ構造をしています。出生前は肺呼吸をしないため、母体から送られた血液はこの孔を経由して全身に送られていきます。出生後、肺呼吸により通常この孔は恒久的に閉鎖されますが、約4人に1人は閉鎖されずに孔が残ります1。この状態を卵円孔開存(PFO:Patent Foramen Ovale)と言います。頻度は高くありませんが、血液がPFOを通過し、左房に流れてしまう場合があります。 

卵円孔開存(PFO)について
PFO資料
卵円孔開存(PFO)について

PFOの症状について

通常はPFOによる症状はなく、治療も必要としませんが、ごく稀に血栓がPFOを通って右心房から左心房に流れ込み、脳卒中を引き起こす場合があります。

 

脳卒中について

脳卒中とは脳の血管の一部が詰まったり破れたりすることで、脳が障害を受ける病気です。損傷を受けた脳の部位によって、半身や手足が麻痺したり、言葉を話すことが出来なくなったり、意識を失ったりするなどの症状が出る恐れがあります。

 

脳卒中の原因について

脳卒中には主に2つのタイプがあります。

1つ目は、出血性脳卒中といわれ、損傷した血管から出血することで発症します。このタイプの脳卒中は、多くの場合、高血圧の患者様に起こります。

2つ目は、虚血性脳卒中(脳梗塞)と呼ばれ、脳に血液を運ぶ血管が詰まることで発症します。このタイプは、多くの場合、原因が特定できます。よくある原因の1つは、頸部または脳内の血管を詰まらせるプラークの蓄積で、特に高血圧、喫煙、高コレステロールおよび糖尿病を有する患者様にみられます。もう1つの原因は、心臓で作られた血栓が脳に到達し、脳血管を詰まらせてしまうことです。虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因となり得る心臓内での血栓形成は、心房細動をもつ患者様に生じます。虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因としてあまり一般的ではありませんが、脳血管破裂および人工心臓弁による血栓も挙げられます。これらの症状を治療することにより再発が予防できます。

ところが、患者様の中には虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因を調べてもわからない場合があります。このような虚血性脳卒中(脳梗塞)は、原因が不明であることから、潜因性脳卒中(以降、潜因性脳梗塞と呼ぶ)と呼ばれます。潜因性脳梗塞の患者様の中には、身体のどこかでできた血栓がPFOを通過して、脳に到達し脳血管が塞がれると、虚血性脳卒中(脳梗塞)が引き起こされる可能性があります。PFOの有無の評価は、潜因性脳梗塞(原因不明な脳梗塞)を発症した若年から中年の患者様を対象として標準的に実施されています。 

 

潜因性脳梗塞の診断について

脳卒中専門医や循環器専門医を含む医療チームは、検査により虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因を探します。  

検査には、超音波検査、CTや磁気共鳴画像診断(MRI)スキャンを用いた脳、心臓および血管の画像収集や、心臓調律のモニタリングならびに血液検査が含まれます。主治医が、この検査から虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因を見つけられない場合、潜因性脳梗塞と診断されます。 

 

PFOの診断について

PFOは、心エコーを用いて循環器専門医が診断します。エコー検査によって、血栓が右心房から左心房へ通過する可能性を確認します。

 

PFOが潜因性脳梗塞の原因となる可能性について

虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因を特定できない場合、血栓がPFOを経由して右心房から左心房に通過し、脳の血管を塞いでしまう虚血性脳卒中(脳梗塞)と診断されることがあります。

 

カテーテルを用いた治療について

低侵襲なカテーテル治療は、体への負担が少ない低侵襲な治療方法で、心臓カテーテル検査室で実施されます。PFOの閉鎖には、PFO閉鎖用デバイスを体内に留置します。治療は、おおよそ1–2 時間程度で終了します。  

全身麻酔もしくは意識のある鎮静状態で、PFO閉鎖用デバイスが挿入される部位(通常、右鼠径部の静脈)への局所麻酔が用いられます。カテーテルが鼠径部から挿入され、PFO閉鎖用デバイスはこのカテーテル内を通って心臓まで運ばれます。医師は食道に超音波プローブを挿入するか、もしくは静脈内へ超音波のカテーテルを挿入し、手術中に心臓を観察しながらPFO閉鎖用デバイスの留置位置を決定します。PFO閉鎖術後は、経過が順調であれば、ほとんどの患者様は約1週間で通常の生活に戻ります。デバイス留置に加えて、主治医は毎日継続して服用する抗血小板薬を処方します。 

 

パーパスを持ったイノベーション

ゴア® カーディオフォーム セプタルオクルーダーは経皮的にPFOを閉鎖する機器デバイスです。

PFOを介した奇異性塞栓によるものと推定される潜因性脳梗塞の既往のある患者様に対し、脳梗塞の再発リスクを低減する目的で使用されます。 

PFO資料

【完全版】「脳卒中再発予防 卵円孔開存閉鎖という選択肢」資料ダウンロード

 

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【完全版】「脳卒中再発予防 卵円孔開存閉鎖という選択肢」資料ダウンロード 表示画像

 

PFO(卵円孔開存)は一般人口でも25%に認められますが、潜因性脳梗塞の既往を有する患者さんでは40%に認められると言われています。2,3  

薬剤治療だけでは再発を予防出来ない場合があり、『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕』では、60歳未満のPFO関与が疑われる潜因性脳梗塞にPFO閉鎖術を実施することは妥当とされ、再発リスクの高い場合はその実施が推奨されています。4  

特に患者さんがハイリスクPFOを有する場合には、閉鎖術による脳梗塞再発予防効果が上昇することも示されています。3  

この度、PFOに関する内容を専門の先生方にご執筆、ご監修を頂き、一つの資料にまとめました。

この資料には次の内容が含まれています。

  • RoPEスコア、PASCAL分類システム、各種画像評価などを含めたPFOの評価指針や実際の診断チャート
  • PFOの治療指針となるガイドライン
  • 手技手順やエビデンスを含めたPFO閉鎖術に関する情報

是非ダウンロードを頂き、潜因性脳梗塞の診断に携わる先生方の日々の診療にお役立ていただければ幸いです。

以下のフォームよりご依頼ください。 

関連製品


  1. Caswell J. Holes in the heart. Stroke Connection 2011:16-17.
  2. Understanding Diagnosis and Treatment of Cryptogenic Stroke. An Updated Health Care Professional Guide. American Stroke Association / American Heart Association. ASA-CRYO046B. 2021. Accessed May 10, 2024.  
    https://www.stroke.org/-/media/Stroke-Files/Cryptogenic-Professional-Resource-Files/Cryptogenic-Professional-Guide-ucm-477051
  3. 日本脳卒中学会, 日本循環器学会, 日本心血管インターベンション治療学会, 三学会合同手引き作成委員会. 潜因性脳梗塞に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術の手引き 第2版. 発行 2023年6月. アクセス 2024年5月10日
    https://pfo-council.jp/docs/publications/guidance_02_240328.pdf
  4. 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 編集. 脳卒中治療ガイドライン 2021 (改訂2023).東京: 協和企画; 2023.