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本症例のポイント

頻回な治療介入が必要なAVG流出路病変に対してバイアバーン® ステントグラフト内挿術を行った。肘関節をまたいでデバイスを留置したが、術後に肘関節を屈曲させた状態で撮像した透視画像においてステントグラフトのキンクは認めなかった。

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野口 智永 先生 吉祥寺あさひ病院 バスキュラーアクセスセンター

症例

  • 59歳男性
  • 原疾患 多発性嚢胞腎
  • 透析歴 14年
  • VA治療歴
    • 2019年3月: 左前腕内シャント作製術を経て左前腕にAVG作製(前腕の上腕動脈と上腕静脈に6 mm径のe-PTFE製人工血管を各々端側吻合)
    • 2019年11月: 超音波ガイド下PTA
    • 2020年2月: 超音波ガイド下PTA
    • 2020年3月: 超音波ガイド下PTA
    • 2020年5月: 超音波ガイド下PTA
    • 2020年7月: 超音波ガイド下PTA
    • 2020年8月: バイアバーン® ステントグラフト留置
    • 2021年2月: 血栓除去術+超音波ガイド下PTA

バイアバーン® ステントグラフトの選択理由

狭窄病変が人工血管静脈吻合部から3 cm以内に起点を持ち、上記のように開存期間の短い症例であることから、開存期間の延長を期待し、ステントグラフト内挿術を実施。

手技

  • 人工血管に  6 Frイントロデューサシースを留置し、血管造影を施行。病変長は50 mm、病変近位の人工血管内径は5.3 mmであり、バイアバーン® ステントグラフトは6 mm径10 cm長を使用することとした。(図1)
  • まず順行性に0.035 inch ガイドワイヤーをすすめ、5 mm径8 cm長の超高耐圧バルーンを用いて前拡張を実施し、血管破裂なく完全拡張を得られた。
  • 次に超高耐圧バルーンを残したまま、0.035 inch ガイドワイヤーをスティッフタイプの0.014 inch ガイドワイヤーに入れ替えた。超高耐圧バルーンを抜去し、バイアバーン® ステントグラフト6 mm径10 cm長を病変まですすめた。位置決めにおいては、超音波装置も用いて遠位端を確認し、内挿術を行った。最後に6 mm径8 cm長の超高耐圧バルーンを用いて遠位端および近位端を含めてステントグラフト全体に後拡張を実施し、完全拡張させた。(最大30 atmまで加圧)
  • 血管造影にて血管内腔は十分に拡張されていること、合併症がないことを確認した後、シースを抜去し手技を終了した。(図2)
  • 尚、当院ではシース痕を4-0ナイロン糸を用いた水平マットレス縫合を加えたうえで、圧迫止血しているので、7 mm径以上のバイアバーン® ステントグラフトを使用する際に推奨される7 Frイントロデューサシースを用いた場合も止血に難渋した経験はない。 
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図1 術前
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図2 バイアバーン ® ステントグラフト留置後

経過

  • バイアバーン® ステントグラフト留置後、数か月ごとに定期フォローアップを行っていたが、その際の超音波検査所見ではステントグラフト内や断端に狭窄はみられなかった。
  • 2021年2月、静脈圧上昇などの症状はみられなかったが、シャント閉塞を来し、血栓除去術+超音波ガイド下PTAを実施した。血流は再開し、現在はPTAでのフォローアップとなっている。

考察

バイアバーン® ステントグラフトのサイズは病変近位の人工血管内径と病変長によって決定される。本症例においては病変近位の人工血管内径の測定値が5.3 mm、病変長が50 mmであることから6 mm径10 cm長を選択したが、ステントグラフト遠位部のランディングゾーンとなる静脈径もサイズ決定の際に考慮すべき要素と考えている。

本症例は肘をまたいでデバイスを留置したが、図3のように屈曲させた状態の透視画像において、ステントグラフトのキンクは認めなかった。ステントグラフト内挿術後のキンクや破断といったトラブルも認めておらず、本稿の脱稿時点(2021年9月17日時点)では問題なく経過している。

最後に技術的な内容となるが、ステントグラフトの正確な位置決めにおいては超音波装置の併用が有用と認識している。ステントグラフトの断端はその形態から確認することができるが、超音波装置の性能によっては把握しにくい場合もある。そのような場合はステントグラフトの音響陰影を確認すればよいと思われる。

 

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図3 肘部屈曲の確認

本資料に示される情報は完全なものではなく、すべての症例に適用できるものではありません。また、電子添文および各症例に関する医療関係者の専門的な判断の代替となるものでもありません。各患者への医療行為に関するすべての判断は、それを行う各医療関係者の責任に属するものであり、当社はこれらに関する判断、助言等を行うものではありません。

 

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販売名:ゴア® バイアバーン® ステントグラフト

承認番号:22800BZX00070000

一般的名称:ヘパリン使用中心循環系ステントグラフト