2022年 当院での治療実績
当院における2022年のバスキュラーアクセスに対する治療実績では、総治療件数5,450例のうちアクセス関連の手術が 553例と10%を占め、そのうちArteriovenous graft(AVG)/Vein vein graft(VVG)の割合が20%と比較的多い状況にある(図1)。


ゴア® バイアバーン® ステントグラフトの適応
現状の適応としては、AVG静脈側吻合部の短期間の頻回狭窄症例、新規/再狭窄を問わず十分なinitial gainが得られないリコイル症例としている。閉塞症例に関しては、責任狭窄が静脈側吻合部であることが明確な場合に使用しており、脱水や血圧低下などの患者素因による閉塞は適応外としている。
しかし、症例を蓄積していく中で適応は拡大傾向にあり、短期間の頻回狭窄症例でなくても、患者本人や家族と相談の上、遠方の患者、認知症やActivities of Daily Living(ADL)不良の患者においては、Quality Of Life(QOL)を重視し、バイアバーン® ステントグラフトの留置が適切だと考える場合は選択をすることもある。
症例
84歳男性、AVG作成後3か月で上腕静脈側吻合部に狭窄をきたし、同部位に対しPercutaneous transluminal angioplasty(PTA)を施行した。その後、繰り返す再狭窄に対し定期的にPTAを行っていたが、徐々に開存期間が短くなり2か月に1度の頻度でPTAが必要となっていた。病変は静脈側吻合部を起点とし8 cm程度狭窄しており、バイアバーン® ステントグラフトを留置する方針とした。
ノンコンプライアントバルーンで病変全長を拡張した後、バイアバーン® ステントグラフト6 mm × 100 mmを留置した。最終造影ではステントグラフト留置部位の良好な拡張が得られ、治療を終えている(図4)。
ステントグラフトのサイズ決定に関しては、基本的にはAVGの人工血管径に対し1 mmサイズアップしたものを留置しているが、1 mmサイズアップしたものが流出静脈の血管径に対しオーバーサイズになるようであれば、同径のサイズを選択することもある。
元々は2か月毎の頻度でPTAを繰り返していた病変であったが、バイアバーン® ステントグラフト留置後は7か月間の開存を得ることができた。
その後は5か月毎にPTAを行っているが、病変形態が限局性になっているため、簡便且つ短時間に手技を終えることができている(図5)。特に上腕の病変は深部に位置することから局所麻酔が効きづらいため、狭窄が限局的になることにより、疼痛を軽減することができた。
まとめ
当院におけるバイアバーン® ステントグラフトの 6か月開存率は66.2%と良好であった(図3)。
また、病変長の長いAVG静脈側吻合部病変に対するバイアバーン® ステントグラフトの留置は、PTAと比較した開存期間の延長効果のみならず、再狭窄時の病変形態が限局性になることが多い。
これは、再治療時の手技を簡略化することができ、結果として疼痛の軽減や合併症の低減にも繋がることから、QOLを重視し、使用目的を考慮の上、積極的に使用している傾向にある。
* Percutaneous transluminal angioplasty
† Arteriovenous fistula
‡ Vascular access
§ Peritoneal dialysis
- Vesely T, DaVanzo W, Behrend T, Dwyer A, Aruny J. Balloon angioplasty versus Viabahn stent graft for treatment of failing or thrombosed prosthetic hemodialysis grafts. Journal of Vascular Surgery 2016;64(5):1400-1410.e1. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0741521416301756
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販売名:ゴア® バイアバーン® ステントグラフト
承認番号:22800BZX00070000
一般的名称:ヘパリン使用中心循環系ステントグラフト



