両側高度石灰化総腸骨動脈病変に対してDual Radial Approachでゴア® バイアバーン® VBX バルーン拡張型ステントグラフトを留置した一例
複雑病変に対する両側橈骨動脈アプローチが可能であったロープロファイルVBX ステントグラフト
大動脈遠位端から腸骨動脈にかけての連続性高度石灰化病変の治療に関しては、血管破裂のリスクを考慮してステントグラフトによるキッシングステントが考慮される。その場合、両鼠経部アプローチや橈骨動脈と鼠径部アプローチが多く用いられる。
今回、ロープロファイルVBXステントグラフト(BXBで始まる品番)を用いて、両側橈骨動脈アプローチでキッシングステントを行った。ロープロファイルVBXステントグラフトは79 mm長のステントグラフトまで6 Frシース対応で、かつ、経橈骨動脈インターベンション(Trans Radial Intervention :TRI)でもスムーズなデリバリーが可能であった。
TRIにより、術後安静臥床からの解放と出血性合併症の低減から早期退院が可能であり、高齢者や出血リスクの高い患者に対しても有効性が高いと考えられた。

患者背景・病変背景
- 年齢:78歳
- 主訴:両側間欠性跛行
- 対象病変部位:両側総腸骨動脈
- リスク因子:2型糖尿病、高血圧
- 既往歴:大動脈弁置換術、腰部脊柱管狭窄症
使用デバイス
- アプローチ:両側橈骨動脈
- シース:ガイディングシース6 Fr × 110 cm
- 前拡張バルーン:スコアリングバルーン7.0 × 40mm
- ステントグラフト:
- 右7.0 × 79 mm (BXB077902J)
- 左7.0 × 79 mm (BXB077902J)
- 後拡張バルーン:
- 高耐圧バルーン 右8.0 × 40 mm
- 左8.0 × 40 mm
治療戦略、治療内容
術前のCT(図1)と下肢造影(図2)より、大動脈遠位端の偏心性石灰化狭窄、右総腸骨動脈(CIA)の石灰化狭窄、左CIAの石灰化亜閉塞を認めた。大動脈からCIAの石灰化病変は連続しており、大動脈から両側CIAにかけてのキッシングステントが望ましいと判断した。腰痛が強く、術後安静が困難であるため両側橈骨動脈アプローチとした。
両側橈骨動脈より順行性に両側CIAにガイドワイヤーを通過させた。病変は偏心性石灰化でバルーン拡張により血管破裂のリスクがあることからVBXステントグラフト7.0 × 79 mm(6 Fr)を選択した。両側橈骨動脈からのアプローチにより(図4)スコアリングバルーンによる前拡張後(図5,6)、VBXステントグラフトを留置し(図4,7)、後拡張として高耐圧バルーン8.0 × 40 mmでキッシングバルーンテクニック(KBT)を行った(図8)。この際に迷走神経反射により心拍数が39回/分となったことから、これ以上の径での拡張は危険と判断し、手技を終了した。VBXステントグラフト留置後(図9)と術後造影(図3)では良好な血流が確認された。
両側橈骨動脈アプローチによる合併症も無く、翌日の血管エコーでは、両側橈骨動脈の開存を確認した。
足関節上腕血圧比(ABI)は術前は右0.97左0.61が、術後は右1.15左1.11へと改善が確認された。
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販売名:ゴア® バイアバーン® VBX バルーン拡張型ステントグラフト
承認番号:22900BZX00309000
一般的名称:ヘパリン使用中心循環系ステントグラフト




