橈骨動脈からゴア® バイアバーン® VBX バルーン拡張型ステントグラフトを用いて治療を行った総腸骨動脈入口部高度石灰化病変の一例
TRIで広がる、低侵襲な腸骨動脈ステントグラフト治療
腸骨動脈における高度石灰化病変に対する治療は、従来のベアメタルステントのみの時代からVBX ステントグラフトが登場したことで、バルーン拡張型ステントグラフトによる内腔確保を目的とし、安全性にも配慮した治療戦略の構築が可能となった。一方で従来のVBX ステントグラフトでは鼠径部からの7 Frシステムを要することが多く、出血合併症や術後安静の観点からも術者にとってはハードルになりえた。2024年にゴアから発表された新世代のロープロファイル VBXデリバリーシステム(BXBで始まる品番)は7 mm径のステントグラフトまでは6 Frシステムで使用できるようにロープロファイル化されている。これによって、同時に腸骨動脈領域で一つの潮流となっている経橈骨動脈インターベンション(Trans Radial Intervention: TRI)との親和性も高まった。このような新システムの登場は、治療選択の幅が広がると同時に患者側にとっても、出血リスクや術後の安静時間の低減といった恩恵が期待できる。
本稿では総腸骨動脈入口部の高度石灰化病変に対し橈骨動脈アプローチにてVBX ステントグラフトを用いて治療した症例を紹介する。
VBX ステントグラフトのデリバリーシステムがロープロファイル化されたことで、今回の症例のような高度石灰化病変も低侵襲でシンプルに治療することが可能であった。また入口部病変であってもバルーン拡張型というプラットフォームの利点が生き、留置時の位置決めも行いやすかった。6 Frシステムで後拡張により最大11 mmの血管径まで対応可能となったことで、VBX ステントグラフトはより低侵襲に、より多くの症例に対し使用しやすいデバイスになったと考えている。

患者背景・病変背景
- 年齢:78歳
- 性別:女性
- 対象病変部位:右総腸骨動脈近位部
- リスク因子:高血圧症、脂質異常症
- Rutherford分類:3度
- TASCa II分類:A(高度石灰化合併)
使用デバイス
- シース:6 Frガイディングシース 110 cm
- 前拡張バルーン:ハイプレッシャーバルーン 6.0 × 20 mm
- ステントグラフト:VBX 7.0 × 29 mm(BXB)
- 後拡張バルーン:ハイプレッシャーバルーン 8.0 × 20 mm
- その他:血管内超音波(IVUS)
図2. 術前造影
図3. IVUSによる病変評価
偏心性の高度石灰化病変であり、入口部病変であることも踏まえ、バルーン拡張型ステントグラフトであるVBX ステントグラフトの良い適応と判断した。6.0 × 20 mmのハイプレッシャーバルーンにて前拡張、indentがとれたことを確認し、VBX ステントグラフト7.0 × 29 mmを留置(図4)。その後8.0 × 20 mmのハイプレッシャーバルーンにて後拡張を行った。IVUSでステントグラフト内腔が正円にかつ十分拡がっていることを確認した(図5)。最終造影でも良好な拡張と血流改善を認め(図6)、手 技終了とした。穿刺からシース抜去までの時間は45分で、術後の安静も不要であった。足関節上腕血圧比(ABI)は術前の0.65から術後は1.07に改善した。
図5. 術後IVUS画像
図6. 最終造影
一連の動画再生
a. TransAtlantic Inter-Society Consensus
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販売名:ゴア® バイアバーン® VBX バルーン拡張型ステントグラフト
承認番号:22900BZX00309000
一般的名称:ヘパリン使用中心循環系ステントグラフト


